Q4. 重症患者の受け持ちが不安です。
毎朝、自分の担当患者を確認するときに、「重症患者の受け持ちになっていたらどうしよう」とドキドキします。受け持っていた患者さんの急変や、重症患者さんの緊急入院を担当するのも怖いです。
どうすれば自信を持って仕事ができるようになりますか?
「重症患者の受け持ちが不安」なのはなぜ?
不安を解決するためには、何が問題となっているのかを自覚する必要があります。
そもそもどうして重症患者さんを受け持つことが不安なのでしょうか?
- 観察項目や、やらなければいけない処置が多く忙しい
- そもそも病態や必要な観察項目・処置の方法がわからない
- ミスしてしまわないか心配
- 急変するのが怖い
- 責任が重い
など様々な要因が考えられますよね。
まずは自分が不安になる原因を、冷静に、紙などに書き出してみてください。
人によってはそれだけで問題が解決することもあります。
積極的に「聞く」ことが不安解消につながる
わからないことを「聞く」ことって、勇気がいりますよね。「どうして勉強してこなかったんだろう?」と不安になる気持ちはすごくわかります。
新人ではなくても、「もういい経験年数なのにどうしてわからないの?」と思われるかもしれない…と不安になってしまいますよね。
わからないことをそのままにしたとしても、何となく業務はこなせるかもしれません。でも、そのままではいつまでたっても分からないままです。
わからないままにしていては自分の成長の機会を失ってしまいますし、何より患者さんにとっても危険です。不安の克服にもなりません。
嫌な顔をされたって、怒られたって、わからないことはどんどん聞くべきです。
良好な関係を築くことが不安解消につながる
日頃から周りのスタッフとコミュニケーションをとり、良好な関係を築けていれば、わからないことも聞きやすくなりますね。
普段からコミュニケーションを取っていれば、「大変だけど頑張って!」などの言葉で心理的フォローをしてくれるでしょう。
その日の業務が終わるときに「今日も怒られちゃった」と落ち込んで帰るのか、「今日も怒られちゃったけど、明日も頑張ろう」と思いながら帰るのかで大きな差が出てくるはずです。
自分のキャパシティを知り、こまめに業務の報告をする
- 処置が多く忙しくて業務が終わらない
- 急変を見逃してしまわないか不安
という人は、自分の能力を超えている仕事を認識して、こまめに業務の報告をしましょう。
あなたが何となく違和感に気づいてリーダーに話したことが、実は急変の予兆だったということもありえます。
新人でも中堅看護師でも、
- 自分のキャパシティを超えた仕事の解決のため
- 自分の気づかない患者さんの変化を知るため
リーダーへの報告は絶対に必要なことです。
リーダーの仕事は、医師の指示受けや多職種と連携することだけではありません。スタッフの仕事の采配をして、業務を円滑に進めるようにすることも仕事のうちなんです。
業務マニュアルをポケットサイズにコピーして携帯
今はどこの病院にも業務マニュアルがあると思いますが、あなたはどのくらい活用していますか?
- 滴加速度
- 意識レベル
- スケール表(ペインスケールなど)
などをポケットに忍ばせて持ち歩いている人は多いと思いますが、業務マニュアルを持ち歩いている人はあまりいないのではと思います。
処置の目的・物品・流れが書かれている業務マニュアルはまさに看護のバイブルです。
観察項目やその病院独自の方法が書かれていることもありますので、転職してきた方も目を通しておいてくださいね。
そして、できればポケットサイズにコピーして、ポケットに。または手帳に書き写し、さらに足りない情報があれば記入して、自分だけのマニュアルを作りましょう。
人に聞いたり、マニュアルを読むためにステーションに戻ったりする手間が省けます。
できれば連日担当にしてもらう
できれば、連日同じ患者さんの担当にしてもらうと良いです。
今日できたこと、また、上手くできなかったことを、忘れないうちに繰り返すことで確実に自分のものにしていきましょう。
救急センターの場合は毎日違う患者さんが来るので、なるべく同じ症例の患者さんが来たら自分の担当にしてもらうようにお願いしておくと良いですね。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のPDCAを繰り返すことが大切です。
それをやっていくことで、嫌だな→わからない→失敗する→苦手意識の増加、のような負のサイクルから抜け出すことができますよ。
大変だからこそ、やりがいがある
重症患者はケアが多い分、トータルで受け持つ患者数を少なくしてもらえるため、一人の患者さんを集中してケアできる、というのはひとつのメリットです。
重症患者さんの看護は簡単なことではないですが、克服できれば必ずあなたの自信となり、これからのキャリアにつながります。
「不安」を「やりがい」に変えていきましょう。