【体験談】医療従事者の母親が、入院する我が子の看護スタッフに激怒

コミュニケーション術

患児は1歳、鎖肛で入院していました。

私が働いていた病院では鎖肛の症例を取り扱うことは少なく、看護ケアを行うにあたり、経験がないスタッフも多くいました。

手術をして治療を行う症例ではなく、軽度の症状であったため、輸液ラインやブジ―などの処置を行っていました。

1歳という月齢から、処置時に安静を保持できる状況ではないため、ある時は抑制を強いられることもありました。

主にキーパーソンとなる家族は母親で、医療従事者でした。母親は仕事のあいまに面会に訪れており、日々の状況や様子を担当になったスタッフに確認していました。

母親との関わり

母親も医療従事者であったため、ある程度の医療知識もあり、看護師のケアの目的や、治療の方針など一つ一つ細かく質問してくることが多くありました。

そんな中、新人スタッフだけではなく、中堅スタッフでも対応に困ってしまうことがあり、母親の質問にすぐ対応できないことがありました。

そんなときは上司や医師に確認を急いだり、直接医師から説明を行ってもらうことを心がけ、その不安な思いを少しでも解消できるように働きかけました。

スタッフは真摯に向き合っていましたが、少しずつ母親は看護スタッフへ不信感を感じるようになっていました。

私が担当していた勤務帯に、「なんでここに点滴台を置くんですか!(点滴留置ライン)ずれてますよね?先生に伝えなくて大丈夫なんですか?ちゃんとみてるんですか?あなたには母親の気持ちがわからない」と大きな声で、不安とともに怒りをぶつけてきました。

その時は、ただただ、茫然としてしまい、「すみません。今医師に確認します。申し訳ありません。」と謝罪をしました。

「どうしたらいいのだろう…。私は、その子のお母さんではないし、全く同じ気持ちにはなれない。けれど、理解しようと頑張っているのに。自信がない…。お母さんに関わるの怖い。」

と正直、その場を立ち去りたく、不安な気持ちになったのを覚えています。

このように、疾患に限らず、不安を抱えている家族は自分の予想をはるかにこえています。

今回のケースを通して

母親との関わりを通して、個人的取り組みだけでなく、病棟全体で真摯に向き合いました。

怒りをぶつけてきた日以来、母親の要望はもちろんありましたが、怒鳴ったり不快感をぶつけてくることはありませんでした。

少しずつ母親も病棟全体の対応変化を受け入れて行ってくれたのではないかと思います。

小児病棟では、患児との関わりが主となることを忘れてはいけませんが、このように家族など患児をとりまく方々との関わりは多くあります。

看護師としてのスキルアップはもちろんのこと、コミュニケーションスキルも磨き、言葉だけの受容・共感を掲げるのではなく、態度や言動でその姿勢をしめしていけるよう努力すべきなのかなと思いました。

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