コミュニケーションエラーから起きるインシデントを防ぐ2つのポイント

ベテランナースすずこのお悩み相談

Q7.インシデントの回数が減りません。どうすれば防げるでしょうか?

看護師3年目ですが、他の同期に比べてインシデントが多いような気がします。自分は感情が仕事に出やすく、焦りやすいところがあります。

焦ると、やらなければならないことを忘れてしまったりします。リーダー看護師から依頼された業務をやり忘れてしまい、次の勤務の人が発見し迷惑をかけてしまうこともあります。

インシデントを起こしてしまうと仕事に対してのモチベーションが下がってしまいます。どんどん後輩ができるのに、いつまでもしっかりしてないなと落ち込んで看護師を辞めたいと思うことが増えてきました。

なるべく落ち着いて働き、インシデントの回数を減らしたいと思います。どうしたらインシデントの回数が減るでしょうか?

(看護師歴3年 24歳 神奈川県)

とにかくすべて「メモ」を取る

まずは業務中、どんな些細なことでもメモをすることからはじめましょう。そして、やり遂げたらチェック。「そんな簡単なこと!?」と思うかもしれません。しかし、目で見て瞬時に業務を一望できるようにすると、凄く便利になるのです。

業務が終わってから「あれ?何かやり残してる仕事ないかな?」と不安になったことはありませんか?

業務のやり忘れや言われた仕事が抜けてしまうあなたは、まず、やることを整理して思い出すという作業を普段の業務にプラスしてみてください。

実は私も、口頭で言われた点滴の流量変更や、夜勤で変更になった内服薬の与薬忘れなどのインシデントをたくさんしてきました。どうして自分は他の人みたいにできないんだろうと落ち込んで泣いたことも、1度や2度ではありません。

そんな経験を経て、「全ての業務を書き出して、確認作業をしていけばいいんじゃないか」ということに気が付きました。

他の同期と比べて、文字で真っ黒になっている私の版。忙しい業務の中でいきなり指示が飛んでくるので殴り書きのようになってしまいますが、かまいません。

忙しい毎日の中、業務をすべて頭の中で整理して覚えておくというのは、限界があると思います。メモにすべて書き出していくことで、頭の中がすっきりして、1つ1つの仕事に集中できるようになります

メモをとる。たったそれだけのことで、格段にインシデントを起こす回数が減りますよ。

言われたことは「復唱」して脳に記憶させる

コミュニケーションエラーを起こさないために、医師やリーダーからの口頭での指示は絶対に復唱しながらメモを取るようにしましょう。

もし不安に思ったときは、怒られることを恐れずにもう一度確認すれば良いです。(実際、怒られることはほとんどないのですが、当時はびくびくしながら聞いていたことを覚えています。)

復唱することによって、指示を出した相手に理解しているかどうか伝えることができるし、声に出して音で認識することによって脳に記憶されやすくなりますよね。

そして、先ほどお伝えしたメモで、視覚からも記憶する。この2つを併用することによって、業務のやり忘れをぐんと減らすことができるのです。

まとめ

私はあるときから、インシデントの数が一気に少なくなりました。

自分の弱点と向き合い、カッコ悪くてもひたすらメモを取ること、そして復唱することで、コミュニケーションエラーやインシデントを減らすことに成功したのです。

今、落ち込んでしまっているあなたにも、ぜひ試してもらいたいなと思います。

あなたにインシデントが多いということは他の看護師もわかっていると思いますから、たくさんメモを取ったり復唱したりしていても「がんばっているんだな」とあたたかく見てもらえると思いますよ。

ミスをするのは人間誰しもあることですが、自分の意識しだいで回避できるミスなら、積極的に回避していくほうが精神衛生上もいいのです。

明日からの業務でぜひ試してみてくださいね。

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