看護師が効率よく「情報収集」をするための3つのテクニック

看護テクニック

こんにちは!現役看護師のハジメです。

新人看護師を卒業して、自分ひとりで仕事をこなすようになってくると、「もっと効率良く仕事できないかな?」と思うようになりますよね。

僕の経験上、仕事を効率良くこなすために一番大切なのが「情報収集スキル」だと思っています。

しっかりした情報収集ができれば正しいアセスメントができ、適切な看護計画を立てられます。

反対に情報収集のやり方が下手くそだと、看護実施から看護評価まで、そのあとすべての行動がおかしな方向へ向かってしまいますよね。

今日はそんな看護過程の基礎である「情報収集」について、看護師歴10年で得た3つのテクニックを紹介したいと思います。

1.カルテは必要な情報だけチェックする

看護師,情報収集

本を見るときもそうですが、タイトル→目次の1ページから…と、最初から順番に見る人は多いと思います。

今は電子カルテだけの病院も施設もありますが、紙カルテのところもまだあるでしょう。

情報収集をするとき、「名前、病名、年齢…え~と家族構成は…」とやるのは正直かなり効率が悪いです。

実習のときは、

  • 最初から丁寧に情報を集めて
  • 項目ごとに整理して
  • 関連図を考えて

という風にゆっくりと情報整理ができましたが、仕事ではそうはいきません。むしろ、今日の業務には必要のない情報のほうが多いのです。

学生時代、「この項目のここの情報を埋めなきゃ!」とやっきになって情報収集したり、必要のないコミュニケーションを取っていた人も要注意。

仕事では「今日の仕事は今日終わらせないといけない」ということを意識しましょう。

仕事に入ったらまず、今日の1日の業務の流れを把握しましょう。

  • 今日は何をやる日なのか
  • 何を優先するべき日なのか

それによって、「必要な情報は何かな」と考えましょう。

2.申し送られたことは一番大事

看護師,情報収集

「情報は各々が責任をもって収集すればいいよね。申し送りをしないで時間を有効に使おう!」と考えていた時期が僕にもありました。

看護師全員がしっかり「記録」していれば、それで問題ないと思っていたからです。

それでもやっぱり、申し送りがなくなることはありませんでした。大切なことは自分で確実に伝えたいのです。

口頭での申し送りはしっかりメモする

どんな病棟でも同じだと思いますが、「今一番大事なことは必ず口頭で申し送りが来る」ということを覚えておきましょう。

特に口頭で申し送りされたことは、前勤務者が自分の口からも言っておかなくてはならないほど大事なことです。今、最も重要な情報です。

絶対に聞き漏らせませんし、次に伝える必要があれば伝えなくてはならない。しっかり、メモしましょう。

全体の申し送り事項も大切

特に重症の患者さんの申し送り事項はよく聞いておきましょう。自分が担当でないから、ではいけません。

重症だからこそ、不意に医師から質問されることもありますし、人手が必要で手伝う場面もあるかもしれない。

情報の共有をしていたいから全体で申し送りをしています。申し送られていることの内容をすべてメモしましょう。

重傷の患者さんの申し送りは勉強になります。どのようなことが申し送られているか、時間のある時にじっくり見直してみると楽しいですよ!

3.状況によって情報収集の優先度を見極める

看護師,情報収集

今日の業務の予定、患者さんの予定を確認したら、それを進めるために必要な情報をとりましょう。

まずは看護計画をチェックですよね。看護計画には僕たちが看護師としてやらなくてはならないことが全て書かれています。

急性期 

まず、名前と年齢はざっくり必要です。意識の確認もしておきましょう。

診療補助の業務では、病名や治療方針を確認しましょう。

  • 検査はあるか?(なぜ必要か?前回のデータは?)
  • 手術はあるか?(なぜ必要か?手続きは?)
  • 病棟移動は必要か?(なぜ必要か?移動先は?持ち物は?)
  • 投与する薬の情報(重要)

治療方針によって欲しい情報は違いますし、欲しい検査データも違います。

次に、看護として「日常生活の支援」業務。

例えば、保清支援時の指示確認などです。

  • 安静度はどうですか?
  • ADLの範囲はどうですか?

日常生活支援がドコまで必要かを把握しておくことは重要です。

慢性期

急性期病棟から慢性期に行くにしたがって、治療状況は安定します。

日常生活支援へと看護がシフトしてきますから、検査データなどの情報は優先順位から下がってきますね。

そうすると、必要な情報も徐々に個人の生活状況などへシフトしてきます。

退院に向けて今日はなにが必要ですか?足りないことは何でしょうか。それによって必要な情報が変わります。

在宅などの超慢性期では、情報収集の視点も変わってきます。

  • 名前
  • 年齢
  • 家族構成
  • 生活状況

これらは主病名より重要になります。

超慢性期の特徴は情報の範囲が広いので、収集するのに時間がかかりますが、ここは時間をかけても良い部分です。

信頼関係の中でしか取れない情報もあります。患者さんとの会話の中で、なんでもなさそうな情報が生活支援をするうえで特に重要だったりします。

それを見極めることは難しいですが、経験を積めばできるようになってくるものです。

情報収集が上手くなるコツは「とにかく真似する」こと

申し送りのある病棟では、先輩がどういう申し送りの仕方をするのか聞き耳をたてて、その技を盗みましょう!

大事なことから順番に話してくるはずなので、「この患者さんにはこの情報が重要なんだな」とわかります。

情報の優先順位もわかります。できる看護師の申し送りには積極的に関わりましょう!そして次に自分が申し送るときに真似してみると良いでしょう。

記録が分かりやすいなと思う看護師の記録を読んでみるのも良いですね。

自分がその日関わった患者さんのことを先輩看護師が記録していたら、それをぜひ読んでみましょう。

わからないうちは、先輩の申し送りや記録をメモしてその通りにやってみましょう。どんな情報を重要視しているかが分かります。

僕が看護師になって2~3年目あたりは、その日の業務をあらかじめ予測して、必要な情報が取れるように項目を作って仕事に行ってました。

そこまではしなくても良いかもしれませんが、とにかく先輩看護師の技を自分のものにしていくことを覚えましょう。

まとめ

仕事をしていると、学生時代のように「情報収集」という時間はとれません。だからこそ、個人の努力次第で収集能力は差が大きくなります。

最初のうちは、とにかく大切な申し送りは絶対に聞き逃さないようにすること、その日の仕事をこなすためのスケジュールを正確に把握すること、それに沿って必要な情報を収集することが必須です。

これ繰り返していくと、年齢・病状を聞いただけで、全体像のアセスメントができるようになっていきますし、どんな看護が必要か瞬時にわかるようになっていきます。

「今日の仕事を終えるために必要な情報は何か」を考えながら仕事する癖をつけていきましょう。

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