こんにちは!現役看護師のハジメです。
看護師のイメージを聞くと真っ先に出てくるのが、「3K」というキーワードですね。
「きつい・汚い・危険」という3つに加えて、「休暇が取れない・規則が厳しい・化粧がのらない・薬に頼って生きてる・婚期が遅い・給料が安い」の6つを加えた「9K」という言葉は、1992年の流行語にもなったほどです。
看護師であれば、全部納得できますよね。僕は男なので化粧や婚期については詳しくないですが、周りの女性看護師たちを見ていると大いに納得できます。
あなたも、そんなきつくてツライ毎日を送っている看護師さんでしょうか?
今日はそんなあなたのために、9K(きつい・汚い・危険)の定義を変えてしまう素敵な考え方をご紹介したいと思います!
仕事のこなし方と心のコントロール技術を身につければ9Kは無くなる
3Kや9Kはすべて、
- 身体的苦痛
- 精神的苦痛
の2種類に分類できます。
身体的苦痛は体力がもたないことや生活リズムの乱れ、無理な姿勢で援助してしまったことによる腰痛などです。
精神的苦痛については表現の仕方がいろいろありますが
- やることが多すぎて帰れない
- 自分のやりたい仕事ができない
- 休暇を思うように取れない
- 家にいてもずっと仕事のことを考えている
- 働き方改革ってなに
- 看護師長が苦手
- 先輩看護師が仕事してくれない
など、書ききれないほどいろんな苦痛があると思います。
看護師の3Kの中では、ほとんどが精神的苦痛に当たると思います。
今日お伝えしたいのは、仕事のこなし方と心のコントロールさえ覚えておけば、精神的苦痛の大半は消えて無くなるということです。
1.生活のリズムを改善しよう
「競技でフライングは違反だが、仕事でフライングはスタンダード」
これは、僕の好きな作家の一人である著述家「千田琢哉氏」の言葉です。
仕事に追われて精神的にきつかった僕の体験談
僕が実際に看護師として働く中でも、常に時間に追われ、残業の嵐でした。
新人の頃は慣れない作業に悪戦苦闘し、もともとの不器用さもあって、ひとつのことにとても時間が掛かってしまいました。
その後、年数を重ねていくにつれて業務をこなすスピードは早くなってきましたが、それと同時にこれまでやっていなかった業務が増えていきました。
院内の委員会業務や新人への指導やフォローなどを任せられ、自身の業務の処理能力は高くなっているのに、残業時間はどんどん伸びてしまっていたのです。
これはいけないと思い、仕事との向き合い方を考えることとなりました。
そこから今まで一回もしたことがなかった読書に目覚め、毎日貪るよう本を読んでいました。
その中で出会ったのが、「様々なレースではフライングというのは違反となり罰を受けるが、仕事でフライングは違反にならず、むしろエリートビジネスマンの間では当たり前のことである」という考え方です。
生活のリズム改善
そこから僕は、自身の生活リズムの改革に乗り出しました。
これまでは24時頃に寝て、朝の8時ごろに出勤するというリズムでした。
まず寝る時間を20~21時に変更し、朝6時に出勤。一人で朝のうちにできる業務をひたすらにこなしていました。
早起きが苦手な方からすると、「ただでさえ気持ちが乗らない職場にそんな朝早くから行くなんてありえない!」と思う方もいるかもしれません。
しかし、一度やってみるとわかりますが、一人で好きな仕事を好きな順番ででき、他人から突拍子もない仕事を振られることもないというのはとても楽しくて、気持ちが良いものなんです。
また、始業時間までのタイムリミットも相まってより集中力が上がり、想像しているよりも作業効率が上がります。
始業時間にはほとんどの仕事が終わっていることで、心にもゆとりができ、患者様や他のスタッフとも良好な関係作りができるのも大きなメリットです。
ただ、最近では働き方改革として、早出勤を禁止している病棟もありますので、そこは確認しておいてくださいね。
小さなデメリットを恐れないで
看護師の中には、お子さんがおられる方や通勤距離が長い方もいるかと思います。
その場合は、ご家族に協力してもらったり、職場から近いところに引っ越すなどの対策が必要かと思います。
実際に僕も職場から近いところに引っ越しをして、当時は家から5分で職場に到着する場所に部屋を借りました。
家賃は前のところよりも高かったのですが、それだけ、職場から近いというのはかなりのアドバンテージが取れると思っています。
「自分の今の環境だとできない」と思うかもしれません。
でも、頭をやわらかくして、視野を広げて、0から物事を考えてみると、どうすれば自分にとって良いのか見えてくるはずです。「なんとしてもやろう!」と知恵を絞れば、できないことはありません。
人は、今受けている大きなデメリットよりも、今受けていない小さなデメリットを避ける生き物です。小さなデメリットを受ける選択をしたほうが自分にとって良いことだというのは、冷静に考えればわかるはずです。
まずは、どうすればできるかを徹底的に考えて、自分に合った方法を見つけて実践して欲しいと思います。
2.仕事はスピードとリズムを意識する!
僕はいつも仕事をするうえで、「スピード」と「リズム」を意識しています。難しいことじゃないので、ぜひ実践してみてください。
スピードを意識する
まず、スピードについてですが、これはとてもシンプルで、できるだけ早く動くということです。
その職場の中で一番早く動くということを常に意識しながら業務を行っていました。
そうすることで単純にこなせる業務量が増えるのはもちろんですが、動く体に合わせて思考スピードも速くしなければならないので、頭の中がスムーズに動くようになってきます。
ダラダラ仕事をしていると無駄な思考回路が入り、集中していないためミスも増えます。
これはできるできないの問題ではなく慣れの問題なので、毎日意識して仕事をするだけでどんどん良くなっていくのがわかるかと思います。
リズムを意識する
実は仕事をするうえでの「リズム」は、スピードよりも大切だと考えています。自分が気持ちよく業務ができる法則や順序を見つけて、それに集中するという方法です。
たとえば、出勤していきなりは気分が乗らず仕事に集中できないため、単純作業を最初にする、というようなことです。
たとえば僕の場合、とにかく手を動かせるように電子カルテ(オーダリング)の記録で入力可能な部分を入力していき、作業興奮を起こさせます。
気分が上がってきたら、情報収集や内服薬の確認等の業務に入っていきます。
基本的に業務の中で行ったり来たりするのが嫌いなので、情報収集の際にはまず先ほど触っていた電子カルテからの情報収集から始め、その後、自分から近い情報収集源から情報収集を行っていきます。
その際は事前にどの情報源からどんな情報を取れば、最短で漏れのない情報収集ができるかを考えてから行います。
これらを全部考えながら上手にやるのは難しいので、自分のリズムとして事前にある程度決めておき、それを日々繰り返すことが大切なのです。
まずは、自分が気持ちよくこなせるようなリズムを考えながら仕事をしてみましょう。
3.とにかく「楽しむ方法」だけ考える
仕事の能率を上げて9Kを無くしていく技術的な方法を紹介してきましたが、ここからはメンタルコントロールについて紹介していきたいと思います。
近年、ストレスチェックのようなメンタルヘルスに対する取り組みや、アンガーマネジメントなどの研修も増えており、看護師業界としてもこのメンタルコントロールへの関心が高まっていますよね。
良い看護をするために楽しむ
メンタルコントロールが上手くできていないと、知らぬ間に自分の心が削り取られていき、気が付いた頃にはズタズタになっています。
そうならないために、私が仕事中に考えていたことはただ一つだけ。
どうすればもっと楽しく仕事に没頭できるかです。
- 仕事を楽しもうなんて責任感が無さすぎる
- 命を預かる看護職がそんなことでは務まらない
と考える人もいるかもしれませんが、大切なのは「良い看護をすること」であって、「メンタルをすり減らして苦しみながら看護をすること」ではありません。
手段と目的を混同してはいけませんよ。楽しみながら仕事をして、それが患者にとって良い結果になるのであれば、そのほうが良いに決まっています。
「お金」よりも「楽しみ」を目的にしよう
看護師は嫌な仕事だけど、「お金のために働いている」という人は多いはず。
いろんな考え方があると思いますが、僕はあまりおすすめできません。
「お金を稼ぐこと」を目的としてしまっては、幸せになれないと思っています。「お金を稼いで◯◯する」という明確な目的があるならまだ良いかもしれませんが、それでも看護師の3Kからは抜け出せません。
大切なのは、「楽しむことを目的にする」ということです。
仕事をとことん楽しみながら行うことでパフォーマンスも向上し、かつ精神衛生的にも良い状態を維持することができます。
楽しそうに仕事をしている人には不思議と人が集まってきて、より良い人間関係を構築することもできるはずです。
楽しむには「熱中する」こと
低予算でのロケット開発やさまざまなビジネスを行っている堀江貴文氏も書籍の中で「熱中より大切なものはない」と提言しており、僕もその考えに共感しています。
熱中すれば楽しくなりますし、仕事も対人関係も上手くいきます。
自分で自分だけの目標を作って、それを達成するためにどうすればよいかを考えて実践と反省を繰り返すことです。
堅苦しく書いていますが要するにゲームのような感覚です。
前日の夜とかに、「明日は病棟で一番先に帰ろう」とか「明日は電子カルテの入力漏れを0にしよう」というように自分の仕事目標を作り、達成するために試行錯誤して、できたら自分をほめる。
このようにして小さな成功体験を積んでいくと自信がついてきてどんどん新しいことにチャレンジしたくなります。
この過程に夢中になっている時が、とてつもなく楽しいのです。
子どもはよく笑いますが、実は本当に楽しんでいるときって、笑わないんです。夢中になって、それに集中しているんですよね。
でも後から聞くと大興奮しながら「楽しかった!」って言うんです。
大人になって忘れてしまっている感覚ですが、本当に楽しいのは「夢中」になっているときや、何かに「集中」しているときなんです。
まとめ
「瞑想」も考え方は同じですね。気になる人は「マインドフルネス瞑想」などで調べてみてください。
宗教的な話ではなく、誰でも気軽に挑戦できることなのでおすすめです。
またいつか、そんな記事も書けたらいいなと思っています。きっと、悩んでいる看護師さんの役に立つはずです。