出産後はどう働く?看護師としてのあなたらしい働き方を導き出すヒント

いろんな働き方

出産後は、これからどう看護師の仕事と育児のバランスを取っていこうか、悩みますよね。

看護師としての産後の働き方は様々です。最近は短時間勤務や日勤のみの勤務など生活スタイルに応じて柔軟な働き方を選択できます。

しかし選択肢が多いからこそ迷うものです。

この記事では、

  • たくさんある選択肢からどう選べばよいのか
  • 優先順位はどうつけたらよいのか

を提案し「あなたらしい働き方」を導き出すヒントをお伝えします。

出産後、あなたはどんな家庭を築きたいか?

出産後の働き方の選択肢について情報収集する前に、まず自分自身の育児や家族に関する価値観について考えてみましょう。

どんな家庭にしたいのか、子供とどのように向き合っていきたいのか、を具体的に挙げましょう。

自身で考えたあとには夫婦で一緒に考えるとよいでしょう。

まずは自分たちが「大事にしたいこと」を明確にすることが大切

このプロセスは家庭に関する価値観の核となる部分を明確にすることです。

この後に仕事復帰に関してさまざまな情報を収集して優先順位をつけなければなりませんが、この核となる部分がしっかりしていれば情報の取捨選択がしやすく、優先順位もつけやすくなります。

ご夫婦でしっかりと考えてみましょう。

先に価値観を明確にすることが重要な理由

出産後に育児をしながら働く中で、「このままの働き方や子どもとの向き合い方で良いのだろうか」という葛藤を抱えている方は多いはず。

なぜ多いのか、それについて興味深いアンケートがあります。

日経メディカルAナーシングが2019年に実施している「結婚・出産後の働き方に関するアンケート結果」をご紹介します。

参考:日経メディカルAナーシング
参考:コミュニティサイト看護roo!

「看護師の仕事は、結婚や育児と両立しやすいと思いますか?」の問いについて「両立しやすい、両立しにくい、どちらともいえない」で回答を募ったところ、「どちらともいえない」が最多の43.8%という結果でした。

次いで「両立しにくい」が40.6%、「両立しやすい」は15.6%。

「どちらともいえない」というあいまいな回答が最多な理由は、職場環境や家族のサポート体制などによってまさに人それぞれ両立のしやすさが全く違うからです。

現在は働き方の選択肢は多様にあるので、自分自身で選ぶことができます。

つまり、自分自身の選択次第で両立しやすくも、しにくくもできてしまうのです。

前述したように、子育てをしながら働いている看護師は程度の差はあれ葛藤を抱えている人が多いのが現状です。

その葛藤はなぜ起こるのか、それは選択できる余地がある中で、自分のした選択に自信が持てないからでしょう。

看護師は働き方に選択の余地がない職種ではありません。選べるからこそ、これでいいのか?と迷います。

もっと子供にとって、家庭にとって良い職場があるのではないか、と考えてしまいます。

決断に対する自信のなさが大きな葛藤をもたらします。

では自分の選択に自信を持つにはどうしたらよいのか。

それはきちんと自身の価値観を明確にし、大事にしたいものを考えたうえで選択をすることです。

そのための最初のステップが価値観の明確化なのです。

大事にしたいことから情報を取ることで、あなたらしいスタイルを導き出す

価値観を明確にしたあとは、現実的な情報収集に入りましょう。

とはいえ、手当たり次第に一般的な情報収集をしていくのは効率的ではありません。迷う原因にもなります。

大事にしたい価値観に関することから情報収集する

まずは、自身が明確にした大事にしたいこと、価値観の核となる部分に関して必要な情報から収集していきます。

例えば、大事にしたい価値観が

  • 「産後は子育ても仕事も両方大切にしていきたい」
  • 「保育園を活用したいが子どもが過ごす環境はきちんと整えたい、納得いく保育の環境で過ごさせたい」
  • 「子どもの保育園次第で自分の職場を考えたい」

というものであれば、まず地域の保育園、病院内の保育園に関する詳細な情報が必要になります。

認可なのか、無認可なのか、保育園の方針や行事の内容、保育環境、保育士の質なども欲しい情報に入ってくるかもしれません。

そして情報を収集したところ、

  • 「理想の園は隣の市だった。保育の方針が魅力的でどうしても入れたい。」
  • 「入園は可能だが現在の職場だと早朝保育を使っても朝は規定の出勤時間に間に合いそうにない」

という内容が得られたとします。

それならば、

  • 現在の職場で朝の出勤時間を遅くできる制度を活用できるか情報収集する
  • 保育園から近く、朝の出勤時間を柔軟にできる職場を探す

というようにどんどん次に取るべき情報が自然に発生してきます。

その過程で何を大事にしたいか、そのために何を選ぶか、何なら妥協できるか、をきちんと考えながら情報を取っていくことで優先順位づけが進み、徐々にあなたらしい選択肢が見えてくるでしょう。

大事にしたい価値観を明確にせず選択した場合

このような例を、自身の価値観を明確にせずにただ漫然と現在の職場で働き続けることを前提に選択した場合はどうなるか考えてみます。

すべての選択は「現在の職場で働き続けるため」という理由から行うことになってしまいます。

「産後は子育ても仕事も両方大切にしていきたい」という価値は実現されるでしょう。

しかし「子どもが過ごす環境はきちんと整えたい、納得いく保育の環境で過ごさせたい」という価値観に自身が気づくことなく産後の職場復帰を迎えます。

本当は「子どもの保育園次第で自分の職場を考えたい」というほどに「子どもの保育環境」を重視している自分がいるのに、それに気づきません。

そして仕事と子育てを続けていくうちにある日葛藤がやってきます。「これで良いのだろうか?」と。

選択した現実と価値観の乖離に気づいた時には現在の職場をやめにくくなっているかもしれませんし、子供の転園は思うようにできないかもしれません。

きちんとプロセスを踏めば、その後の大きな葛藤を避けられる

大事にしたいことを明確にし、重要な情報から収集する、情報を取捨選択していく過程で優先順位をつけていく、というプロセスをきちんと踏みましょう。

先にも述べたように、看護師は働き方に選択の余地がない職種ではありません。

選べるからこそ、きちんと選ばなかったあとの葛藤は大きいでしょう。

世の中は仕事と子育ての「両立」に力を注いでいる

価値観をもとに選択した結果、退職という選択肢もあるでしょう。

一番大事にしたいもののための選択ならば、どんな選択をしても自信が持てますよね。

どんな選択でも良いのです。

しかし事実として近年の看護の世界は仕事と子育ての「両立」に力を注いでいることは知っておいたほうがよいでしょう。

「ワークライフバランス」という言葉をここ数年かなり耳にします。

「ワークライフバランス」とは、仕事と生活の両立を無理なく実現できる状態のことです。

仕事と生活を調和させることで、両者間に好ましい相乗効果を高めようという考え方とその取り組みを指します。

「子育て支援」と勘違いしている人もいるようですが、仕事だけ、育児だけ、など何かに偏らずに調和させることを目的としています。

この「ワークライフバランス」は結果的に離職防止や人材育成にも繋がり、経営戦略の一つとして積極的に導入している病院もあります。

決して「思想」にとどまっているわけではなく、現場レベルで浸透しつつあります。

協会は具体的な取り組みとして「多様な勤務形態の普及」に努めています。

参考:公益社団法人日本看護協会

協会の啓発によってさまざまな勤務形態を導入している病院も少しずつ増えています。

出産後に活用できそうな勤務形態も整いつつあります。

とはいえ、自身の価値観と生活スタイルに適うものかどうかは慎重に検討が必要です。

勤務形態も「選べる」時代になってきました。

選択の余地がまた増えるということです。

選択後に迷わないために、葛藤で苦しまないために、自分の価値観の核となる部分とまず向き合いましょう。

子育てをしていく中で、気持ちの変化は必ずある

出産後は、赤ちゃんとの生活が実際にスタートすることで目まぐるしく生活リズムや環境が変わります。

ホルモンバランスの変化もありますので、不安定になることもあるでしょう。

また、「出産してから驚くほど自分の考え方が変わった」という声も耳にするほど気持ちの変化が大きい時期です。

働き方や育児への考え方、価値観が大きく変わることは十分予測されます。

気持ちの変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、子育てを通して変わることは、一人の女性として、一人の看護師として、視野が広がることなのです。

気持ちが変わったらまたきちんと自分と向き合って夫婦で話し合えばよいのです。

きちんと向き合えば、必ずあなたらしいスタイルが導き出せるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました