コミニュケーションが苦手な新人看護師の教育に悩む「プリセプター」の話

看護ログ
ハジメ

こんにちは、ハジメです。

新人看護師さんが配属になって、そろそろ半年になりますね。

僕の働いている病棟ではプリセプター制を取り入れていますが、この時期になると新人さんだけでなく、プリセプターにも悩みが多くなって精神的にも疲れがたまってきている時期かなーと思います。

僕はもう10年になりますので「プリセプター」が少し懐かしく思えるようになりましたが、初めてプリセプターの役割を与えてもらった時っていろんな気持ちになりますよね。

  • 自分にプリセプターが務まるのかな・・・
  • どんな新人さんを担当することになるかな・・・
  • まだ仕事を1人で出来るわけじゃないのに人に教えるなんて・・・
  • 自分のせいで成長できなかったらどうしよう・・・

役割を与えてもらうことで「頑張ろう」って気持ちになる人も少なくはないですが、今まで「プリセプターを任せたい」と声をかけると、上に書いたような感情を表に出されることが多かったなーと思います。

今回はそんなプリセプターに関する悩みについて、実体験を元にお話をさせていだきます。

プリセプターからの悩み相談

今年初めてプリセプターになったAさん(以下:プリAさん)から、新人看護師と定期的に行う「振り返り」での悩みを相談されました。

仕事を覚えるのが遅い新人看護師に対する悩み

プリセプターのAさんは、今年3年目になる看護師です。

僕から見た印象では、真面目で勉強していることに対する自信もあり、仕事をお願いすると嫌な顔せずに「頑張ります」「やってみます」とはっきり答えるようなタイプです。

プリAさんが担当している新人Bさんは、おっとりしている性格。教えている時に「本当にわかったのかな?」と思わせる場面が何度もあり、今年入った新人看護師4名の中では、成長が一番ゆっくりな人です。

日勤・夜勤のオリエンテーションや独り立ちを予定より少し遅らせて進めたので、振り返りの回数は他のプリセプター・新人のペアよりも多く、プリAさんも色々思うことがあったようです。

仕事を覚えるのに時間がかかる「新人看護師」と「プリセプター」の話
今年の4月の話ですが、病棟に配属された新人看護師さんが仕事を覚えるのに時間がかかり、体調を崩しそうになったことがありました。そこでプリセプターと僕がどのように関わっていったか、新人看護師さんの悩みは解決できたのかについてまとめてみました。

プリセプターからの悩み相談1

プリセプターAさんと新人看護師Bさんはかなりの頻度で「振り返り」をしていて、その都度僕にも報告はしてくれていたのですが、最近こんな相談を受けました。

  • 新人看護師Bさんの仕事覚えが遅い
  • 新人看護師Bさんはコミュニケーションが苦手
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プリセプターAさん

何度か振り返りをして、Bさん自身もコミュニケーションに課題があることは気付いているし、それでうまく仕事が回せてないってこともわかっているけど、解決してあげられないです。

看護ログ
ハジメ

たしかに、Bさんも自分でコミュニケーションは苦手って言ってるよね。コミュニケーション以外の技術とか知識面はどうだった?

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プリセプターAさん

質問したら大体のことは答えてくれました。まだ未経験のことは難しいけど、経験した事は大丈夫そうでした。

「私じゃなかったらもっとうまく伝えられるのかな」って思ったり、先輩たちからの声も聞こえてくるし、どうしていいかわからなくなってきました。報告の時は「大丈夫です」って言ってたのに…すみません。

新人看護師への指導は難しい!

最後の「大丈夫ですって言ってたのにすみません。」という言葉を聞いた時に、毎回振り返りをした後にプリAさんの性格やキャラクターをもう少し考えてあげていればと、僕も反省しました。

3年目の看護師が、新人看護師の性格やキャラクターに合わせて教育・指導を行うことって本当に難しいことだと思います。

成長速度が周りに比べて遅かったり、コミュニケーションや社会性に課題がある新人さんを担当した時は、特に悩みが大きくなりますよね。

僕も教育担当者として、この事にもっと配慮すべきでした。

新人Bさんの進捗状況がゆっくりで、スタッフからも色々な意見が出ていたので、プリAさんが頑張っていたことを病棟スタッフに周知するよう心掛けていましたが、それでも陰口みたいなものはどうしても出てしまいます。

自分でうまくいっていないと感じる時って、周りの言葉が気になり、影響されやすくなりますよね。解決策が見つからずそういった状況が続いて、しんどくなり本心を話したのかなと思いました。

プリセプターからの悩み相談2

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ハジメ

いつもBさんと振り返りしてくれてありがとう。やり方も工夫して、いろいろ考えながら頑張ってくれてるから、「自分じゃなかったら」とは言わないでほしいな。

コミュニケーションが苦手ってことを除けば、成長してるってことだよね?それはプリAさんのおかげだと思うよ。

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プリセプターAさん

そうであれば嬉しいんですけど・・・。コミュニケーションってどう教えてあげればいいでしょうか?そこが良くなれば、陰口とか言われなくなるのかなって思ってます。

看護ログ
ハジメ

コミュニケーションってすぐ身に付いたり、クセとかもあるから、何かしたからと言ってすぐに改善するものでもないと思う。

難しい相談で、正直僕もどう答えれば良いか迷いました。

ただ、こうして悩むことがプリセプターの成長にもつながるので、いろいろ考えながら自分なりの答えを見つけてくれたらなと思っています。

コミュニケーションの指導に悩むプリセプターは多い

「どうやったらコミュニケーションが改善するか」という質問に対して、正直今の僕は明確な答えをもっていません。

教育や指導の問題というより、その人の成育歴みたいなものが大きく影響していると思うからです。

新人看護師も悩んでいる

新人看護師Bさんの場合、「交友関係は狭く深くという形をずっと続けてきた」と本人から聞くことがありました。

そして急に何十人もいる職場に入って、多くの人とコミュニケーションをとる環境になったわけです。プリセプターも悩むと思いますが、それ以上に本人はもっと大変な思いをしているということは忘れてはいけません。

本来、環境に合わせてコミュニケーション方法を変えるというのは、ある程度の経験値が必要です。

その環境に長くいることが成長を促す要因になると思い、新人Bさんには「苦手でも積極的に会話をしていこう」と口酸っぱく言っています。

コミュニケーション能力を育てるのは難しい

プリAさんの質問に当たり障りのない答え方をした時、とても残念そうな表情をされました。

ただ、コミュニケーション能力の成長はとても時間がかかるものだと思います。コミュニケーション能力を磨くための研修も、院内ではほとんどしませんよね。

それよりも実務的なものが優先されやすく、もしコミュニケーションの研修などがあったとしても、その後の評価が難しいという点もあげられます。

また、コミュニケーション能力は個人の才能みたいなものって言いきっちゃう先輩もいました。かく言う僕も、それくらい個人差が大きいものだとは思います。

それでも、コミュニケーションが苦手だから看護師に向いていないっていうのは違うと思うんです。

もちろん対人の仕事で、心の機微にまで配慮するべき職種ではあります。コミュニケーション能力が高いにこしたことはありません。ただ、元々コミュニケーションが苦手だったという人でも、患者さん・その家族から信頼されている看護師はたくさんいます。

コミュニケーション能力はどう育てるか

今回プリAさんから受けた相談の最後に、成長に時間のかかる能力だからこそ、成長を見守るってスタンスが重要だと伝えました。

コミュニケーションという悩みに重きを置くのではなく、むしろ「コミュニケーションの成長は時間をかける」と決めてしまい、他の能力を伸ばしてあげる方向にもっていくのもプリセプターとして、しんどくならない方法かなと思います。

コミュニケーションに関しては、

  • 報告・連絡・相談だけは確実にする
  • 自分の考えを少しでも伝えるように心がける

などの計画立てておき、コミュニケーションを補えるポイント伸ばしてあげてアピールするっていうのも1つの手かもしれません。

プリAさんにもこういったアドバイスを行い、今もプリセプターを頑張ってくれています。

今、頑張っているプリセプターさんたちへ

新人看護師の教育はプリセプターが1人で抱え込むことではありません。

厚生労働省のガイドラインにも

新人看護職員を支えるためには、周囲のスタッフだけではなく、全職員が新人看護 職員に関心を持ち、皆で育てるという組織文化の醸成が重要である。この新人看護職員研修ガイドラインでは、新人看護職員を支援し、周りの全職員が共に支え合い、成長することを目指す。

と記載されています。

今は病棟全体のスタッフだけでなく、職員全体が新人看護師の教育に関わっていくことになっているのです。

どうしても非協力的な看護師さんも中にはいるかもしれません。「あなたがしっかり教えてないから」とか言われることもあるかもしれません。

そんな時は、口に出すと角が立つので、心の中で「じゃあ、その時にあなたが教えればいいのに」くらいで流してしまいましょう。

日々の業務をこなしながら、新人看護師に目を配り教育・指導を行うことを求められるプリセプターは重要で大変な役割ですよね。けど、プリセプターは看護師として大きく成長できる機会の1つになるのです。

今は大変で悩みや愚痴も多くなっていることと思います。ただ、腐るにはもったいない!

前向きに考えることは難しいかもしれませんが、新人さんと一緒に成長できるよう、悩みをどんどん相談して解決していけるように頑張っていきましょう!