仕事ができない新人看護師の心が楽になる考え方|10年先輩からのアドバイス

新人看護師,仕事できない コミュニケーション術

新人看護師のみなさん、たくさんの患者さんを受け持ちに抱えて、忙しい日々を送っていますか?

こんにちは!現役看護師のハジメです。

新人のころは、「自分は看護師として役に立っているのか」「皆の迷惑になってないか」と不安になることも多いかと思います。

病棟には優しい先輩ばかりでなく、心ない言葉をかけてくる先輩もいますよね。

そんなつらい毎日を送っている新人看護師の皆様へ、心が楽になる考え方を少しアドバイスさせていただければと思います。

僕は看護師歴10年になり、今は教育担当をしています。数え切れないほどの新人看護師を見て、そのうえでたどり着いた考え方をお伝えしますね。

「自分は足手まといだ」と思わない

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「激務の中で上手く動けず、先輩に助けてもらいながら、やっと勤務を終えることができた。」
「先輩に助けてもらいながら仕事をしていたのに、インシデントを起こしてしまった。」
「観察が上手くできず、患者さんの異変を見落としてしまった」

というようなことが毎日重なると、

  • 自分なんて何の役にもたっていない
  • 足手まといで迷惑ばかりかけている
  • 自分なんていない方がマシ

と考えてしまうこともありますよね。

でもこの考えは、新人看護師にとってはいらないものなんです。こういう考えは一切捨てたほうが、むしろ早く仕事ができるようになるものなんです。

1年目は誰にも期待されていない

まず、「1年目で先輩と同じように動けるわけがない」と自覚することから始めましょう。

具体的には「1年間は迷惑をかけ続ける」と考えるべきです。

僕も新人看護師時代、「3~6ヶ月で独り立ちしたい」と考えて必死に業務を行っていましたが、全くできませんでした(笑)。

激務だったこともあり、仕事をこなすことでやっと。見落としやミスが多く、先輩にはたくさん叱られました。

「このままでは自分のいる意味はない。」とまで考えるようになりました。

でも、副師長との面談で一変します。

副師長は、「ごめんだけど、そんなすぐ使い物になるなんて全然思ってないよ。すぐできるようになられたら苦労してここまできた私が困るよ。まあまず1年間は何もできないままだと思ったらいいよ。」と言われました。

僕はその時、文字通り肩の荷がおりて軽くなったことを良く覚えています。

それ以来、わからないことや不安なことは何でも先輩に聞けるようになり、思い詰めすぎずに仕事ができるようになりました。

看護師は3年でやっと「1人前」

今では僕も教える立場になっていますが、新人には仕事の面でほとんど期待することはありません。

1年間かけてじっくり仕事を覚えてもらって、そこでやっと「半人前」です。僕の感覚では、3年目のプリセプターを経てやっと「1人前」になるかな、くらいのイメージです。

看護師は覚えなければならないことがたくさんありますよね。

医療知識や技術はももちろん、それぞれの病院の、または病棟の正規のルールからローカルルール、書類のこと、人間関係など、多岐に渡ります。

加えて日々の病棟業務をスムーズに動けるようになるには、日勤の流れ、その病棟の患者の特徴、各スタッフの力量が全て把握している必要があります。

これだけの内容をたった数ヶ月、ましてや最近働き出したばかりの人には、できなくて当たり前です。迷惑なんてかけまくりで当たり前なんです。

まずは1年間、先輩たちに迷惑をかけることを前提に日々の業務をこなしていき、知識と経験を積み重ねてください。

1年後、劇的に成長した自分に出会えますよ。

仕事は真面目に一生懸命に

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「新人は迷惑をかけるものだ」と言いましたが、逆に開き直って、先輩に助けてもらうのが前提のような動きをしていてはダメですよ。

先輩からはすぐに見抜かれ、誰も助けてくれなくなります。

迷惑をかけながらも、1日も早く戦力になりたいんだと言わんばかりの姿勢で、日々一生懸命働くべきです。

仕事ができるだけではダメ!謙虚な気持ちも忘れずに

看護含め、医療はチーム戦です。今いるみんなで日々をどう安全に、確実に乗り切っていくかが非常に重要です。

そんな職場で新人が「できなくて当たり前」と調子に乗ってしまうとチームの輪を乱し、人間関係に歪みをもたらします。

できないながらも必死さは忘れずに、謙虚になって仕事を教えてもらうことが大切です。

それを忘れて「自分は新人だからできないのが当たり前」と考えて大きな態度でふんぞりかえっていると、先輩からの風当たりも強くなり、鼻っ柱をへし折られて痛い目をみて、しまったと思った時には手遅れ。ということもあります。

以前僕の部署に、学校を首席で卒業した人がいました。頭が良く、新人離れした状況判断ができる人でした。

でも先輩からの指摘に真っ向から反論することが多く、どんどんその部署での居場所がなくなってきます。

ある時にはインシデントが起こった際に犯人と決めつけられたり、正当な訴えをしているにも関わらず「言い訳ばかりする。」と突き放されたり、最終的に鬱を発症し病棟を去ってしまいました。

コミュニケーション力があれば自由に仕事ができる

間違ったことを正す勇気は必要ですが、やり方を考えるべきです。

例えば先輩から指摘を受け、自分が調べたことと違った場合、「勉強になります。」と受け入れながら、「こういう見解もあるようですが、実際のところはどうなんでしょう?」と質問する。

それにより先輩とのコミュニケーションもとれるし、先輩がなぜそう指導しているかを知ることができる。

ただ「それは違う。」と真正面から対立するのは、「可愛くない奴。」になってしまいますよね。

業務の内容も重要ですが、自由にのびのびと仕事をするために、コミュニケーションも重視したほうが良い、というのが僕の持論です。

僕の経験上、正しいことを押し通すよりも、そのほうが最終的に「良い看護」につながることが多いんです。

先輩だって、同じように迷惑をかけた時代が「必ずある」

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仕事ができない自分に対して、あからさまに嫌な態度や迷惑そうな態度をとる先輩…いますよね。

そういう人でも新人の時代は絶対にあって、先輩にたくさん迷惑をかけてきています。

僕が尊敬している人で、救命センターに何年も務めた認定看護師がいました。かなり頼りになる人で、チームメイトからも頼られ、まさにエース級の人でした。

救命センターは花形で、その中で認定看護師となれば、当時の僕からすれば雲の上の存在でした。

ある日、僕の直属の上司から「あの子って新人の時から知ってるんだけど、本当に仕事のできない子でね。迷惑ばかりかけてんだよね。だから今救命センターにいて、あの立ち位置にいるのが不思議なぐらいなんだよね。」と聞いて驚いた経験があります。

新人時代は誰にでもあり、誰しも迷惑をかけて成長している、そう心得る必要があるのではと思います。

まとめ

経験年数を積んだ僕が今思うことは、看護師生活の中で一番苦しかったのは、間違いなく新人時代でした。

そんな苦しい時代を乗り越えて、やっと今医療や看護の楽しさを知ることができました。

この楽しさに気づくことができずに現場を離れてしまうのはとてももったいないことです。

そうならないために、僕の経験やアドバイスが少しでもお役にたてることができればと思います。

なんとか苦しい時代を乗り越え、楽しい看護師人生を歩んでいってください。

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